こんにちは✿
私は最近ハマっている方がいます。
その方の名前は「内田舞」さん。
SNSなどで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
内田さんは、ハーバード大学医学部准教授にしてマサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長(2023年現在)というかなりのエリート。一方で、3人の子どもの母親でもあります。
そんな内田さんが執筆した「REAPPRAISAL(リアプレイザル) 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法」という本を読んでみたので、その感想を書こうと思います。
- 内田舞さんの本に興味がある
- 科学的根拠がある自己啓発の本を探している
- 負の感情をコントロールする方法を知りたい
- 不安や苦しい思いをどうにかしたい
本の概要

<タイトル>
REAPPRAISAL(リアプレイザル) 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法
<詳細>
- 著者:内田舞
- 出版社:実業之日本社
- ページ総数:212ページ
<内容>
ハーバード大学医学部准教授で小児精神科医・脳神経科学者でもある内田舞さんが、不安や恐怖など負の感情を「リアプレイザル(再評価)」という思考法で解決する方法を伝授。脳や感情のメカニズムを解説し、科学的根拠のある心理療法で嫌な感情をよい感情に変えてきます。
読もうと思った理由
私はYouTubeで内田舞さんを知りました。
内田さんの話はとても興味深く、説明もわかりやすくて話がスッと入ってきました。
大学准教授でもあり医師でもあるので、科学的根拠があるのも興味をそそられました。
共感することや「なるほど」と思うこともたくさん話されていて、初見のときから「この人すごい!」と思ったのを覚えています。
そんな中、私は不安に対する本を探していて、内田さんの本が目に留まりました。
他にも不安への対策の本は山ほどありましたが、
「最先端の脳科学なら医学的根拠があり、有意義な意見が知れるのでは?」
と思い、内田さんの本を購入しました。
本の感想

なぜ「不安・ネガティブ」の感情があるのかを科学的に解説
脳神経科学者でもある内田さんは本の中で、
- なぜ不安に思うのか
- 不安の正体とは何か
について科学的に解説しています。
一言にまとめると、
緊急事態や危機的状況のときに脳の偏桃体という部分が活発になり、ストレスホルモンが分泌され、感情システムが騒ぎ始めるのが不安の正体
だそうです。
そもそも昔の人類は、今とは比べものにならないほど危険と隣り合わせの生活をしていて、そこには「不安」や「恐怖」は生存のために必要なものであったという解説もありました。

不安や怖いっていう感情があるのは科学的にはいたって普通のことなんだね。
また、内田さんは本の中で次のようなことも書かれていました。
ここで伝えたいことは、不安という感情を抱くのはあなたが「弱い」せいではないということです。むしろ不安を感じるのは、あなたが必死に生きようとしているからなのです。
REAPPRAISAL(リアプレイザル) 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法 P.28
この本は解説だけでなく、読んでいる人を安心させるような言葉も交えながら書かれているという印象を持ちました。
また、内田さんは医師・学者の意見として、
- 病院に行くことは恥ではない
- 薬に頼るのは悪いことではない
ということも話されています。
世界精神保健調査(WMHS)によると、日本人が精神疾患になる確率は生涯を通じて5人に1人という結果で、精神疾患は身近なものになってきているそうです。
なので、辛いときは早めに専門家に相談するのを内田さんは勧めています。
ちなみにアメリカでは、精神科治療への偏見が日本よりも少なく、積極的に精神科を受診しているそうです。
また、精神科で薬を処方してもらうことも悪いことではなく、薬の相性や量などバランスが取れていれば薬は怖いものではないとも解説しています。

精神の病気や薬って偏見が多いけど、別におかしいことではないよね。
優しい言葉をかけつつ、医師・学者の根拠のある意見が大変参考になりました。
「再評価」の思考が本のメインテーマ

不安・恐怖・イライラを感じたとき、自分はどうしたらいいのか。
その解決法の一つとして、
「再評価」
という思考法を内田さんは解説していました。
再評価とは、簡単に言うと「感情のコントロール」のことだそうです。
再評価は「嫌な気持ちの扱い方」とも言えるかもしれません。具体的には今抱いているネガティブな感情に対して、正直に自分自身と向き合って、「どうして今このように感じているのか」や、「その背景にある考え方や自分の経験とはどんなものなのか」、そして「その感情や考え方から起きている行動を変えることはできるだろうか」と感情が湧いた状況を「再度、評価し直す」方法です。
REAPPRAISAL(リアプレイザル) 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法 P.39
内田さんは自身の生活の中で「再評価」を取り入れたときのことを例として話していました。
自宅で内田さんは旦那さんとあるアクション映画を見ていて、大乱闘シーンでたくさんの人が戦ったり色んなものが壊されたりするのが、内田さんにとっては「現実で起きたら大変」と思い、映画がつまらなく感じて、批判ばかりしていたそうです。そんなとき旦那さんが「たくさんのエキストラの人たちに仕事が来てよかったね」と笑いながら言ったそうです。
このとき内田さんに起こった「感情」「考え」「行動」を整理すると、
- 考え:乱闘シーンがつまらなく、現実に起こったら大変だ
- 感情:イライラする
- 行動:批判ばかり口にする
これを「再評価」を用いて向き合ってみると、
- 考え:旦那さんの言うように多くのエキストラの人が仕事がもらえたことは喜ばしいことである。そもそも乱闘シーンがつまらなくても自分の人生に影響はない
- 感情:映画に感じていたイライラした気持ちが落ち着き、実際は仕事で疲れていて小さなことに反応していただけかもしれないと気づけた
- 行動:批判するのをやめ、リラックスした夕方の時間を過ごせた
と、ありました。
日常のささいな出来事で例えていたので、わかりやすいと思いました。

負の感情になったときは、一旦立ち止まり、自身の思考を考え直してみるということだね。
特別難しいことのようには見えませんが、慣れるまで時間がかかると内田さんも本の中で言っていました。
しかし、負の感情に支配されそうなときに使えるお守りのような思考法だと私は感じました。
誰だって負の感情に身を任せたくないし、生きやすくなるための一つの知恵だと大変参考になりました。
ただ、内田さんは「再評価」の注意事項として、
自分の負の感情に蓋をせず、正直に向き合う
ことの大切さも話していました。
本当は悲しいのに感じないようにする、無理にポジティブでいようとするということは、長期的には有害であり、様々な不調の原因になってしまいます。
無理やりにするのではなく、負の感情を受け入れ、正直に向き合い、ポジティブ思考に向かわせようというものです。
私も昔は苦しさを感じたくなくて、自分の気持ちに蓋をしていたことが多々ありました。
でもこの本の通り、それでは本質的解決にならず、自然に生まれる感情に逆らうことになるので、自分を苦しめるだけなんだと実感しました。

自分の感情から目をそらしたら自分と向き合っていないことになるよね。
そして「再評価」の結論は、
再評価=自分に正直になること
と内田さんは話しています。
不安や恐怖を感じることはあっても、自分の感覚に正直になる「勇気」を持ち、自分自身の「弱さ」も受け入れた上で、自分の持つさまざまな「強さ」に気づくこと。そして、自分の人生の舵を取り、自分らしい選択をしていくことだと思うのです。
REAPPRAISAL(リアプレイザル) 最先端脳科学が導く不安や恐怖を和らげる方法 P.206
私はとても弱気なところがあり、自分の軸を持てていないと自覚しています。
でも、「そんな自分も受け入れ、正直に自分らしく生きる」という内田さんの言葉は背中を押してくれるような感じがしました。
「再評価」は、悩んでいる人に自分らしく生きるためのヒントになるのではないかと思います。
内田さんの苦しかった経験

超エリートで輝かしい経歴の内田さんですが、その裏ではかなり苦労されていました。
例えば、
- 医師になろうとするも日本の医療現場は想像以上に男性社会で落胆
- アメリカで医学の勉強をこなしていくのは容易ではなかった
- コロナ禍で妊娠し、コロナワクチンを接種したことでたくさんの誹謗中傷を受けた
など、私だったら心が折れそうなことばかりです…。
本当に苦労されたんだなと思いました。
特にまだ、妊娠中にコロナワクチンの接種に関する世間の理解が確立されていなかったので、SNSで「最悪の母親」「幼児虐待」などひどい誹謗中傷を受けたそうです。
中には「そんなことまで!?」というような内容の嫌がらせ行為もありました。

SNSの誹謗中傷はもはや身近なことだし、考えさせられるよね。
また、内田さんがアメリカで医師を目指しているとき、意地悪な指導者に当たってしまって、様々な嫌がらせを受けたり、アメリカ人との実践力との差に苦しんでいたそうです。
内田さんは誰もが羨むような経歴にも関わらず、私が見たYouTubeでの姿や本の中の文章でも謙虚さを感じました。
私が思うに、内田さんが謙虚な姿勢でいられるのは、こうした苦労をたくさん経験されているからなのかなと思いました。
社会問題とどう向き合うか

本の中で内田さんは社会問題についても話されています。
- 人種差別
- コロナウイルス
- SNSの誹謗中傷
- 情報の誤認
アジア人というだけでコロナウイルスの根源だという偏見を持つ人がいたり、誤情報によって多くの人が不安感を抱き、ネットで誹謗中傷の言葉が飛び交ったりするなど社会問題は山積みです。
そんなときに使えるのが「再評価」。
これらの問題に対して「再評価」する姿勢でいることは、かなり難しいかもしれませんが、内田さんが「再評価」をする上で役に立ったことがあるそうです。
それは、
- エンパシー(自分とは違う目線や価値観を想像する力)
- 昇華(ネガティブな感情を社会や自分の成長のために使う)
- 他愛(誰かの役に立つことでネガティブな感情が和らぐ)
- ユーモア(人の心を和ませるおかしみ)
の4つです。
内田さんは、エンパシーによって「不安な気持ちはみんな一緒ではないか」というのに気づき、昇華によって「誰かの心のサポートになるのではないか」と考え、「誰かが自分の言葉を支えにしてくれたら嬉しい」と思い、ユーモアによって時には笑うことの大切さを実感したそうです。
まとめ:「再評価」を通じて自己肯定感を高めるヒントが詰まった本
本のメインテーマである「再評価」を私なりにまとめると、
自分に正直になりつつ、負の感情をポジティブに変換する思考法
という感じです。
医師で医学部准教授の内田さんの本ですが、専門的で難しい話はごくわずかで、むしろ、わかりやすく心に寄り添って励ましてくれているような話が多かったです。
「再評価」という心理療法は、慣れるまで時間はかかりますが、誰でもすぐに実行できることでお金もかかりません。
さらに科学的根拠もあるので、私的にはとてもスッと入ってくる内容でした。
ネガティブな感情に支配されず、前向きに生きることを提案してくれているこの本は、ぜひ、今悩んで苦しい気持ちでいる人に読んでもらいたいと思いました。
気になった方はぜひ、読んでみてください。
というわけで、ここまで読んでくれてありがとうございます。
それでは✿
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